プラネタリウム基礎調査2024速報

2024年12月25日 

日本プラネタリウム協議会 データブック委員
角田佳昭 毛利勝廣 田中里佳

 

プラネタリウム基礎調査2024の結果速報を発表いたします。

 

1.調査について

1−1.全容

プラネタリウム基礎調査は2012年より毎年行っている調査です。今回は2023年度(2023年4月~2024年3月)の状況について、調査票を2024年10月に日本全国のプラネタリウム施設等に郵送し、11月11日〆切で入力回答を依頼しました。

調査項目はプラネタリウム投影回数、観覧者数、特記事項、新型コロナウイルス感染症対策でのプラネタリウム休演期間の4項目です。調査票配布は298、回答数は230(12月25日時点)、回収率は77%です。

今回の調査からデータブック2020等で確定し常時公開しているプラネタリウム施設一覧を基に調査票を配布しました。また運用状況の違うモバイルプラネタリウムの調査を別途行うこととしました。このため調査票配布数が昨年までと異なっています。本調査はプラネタリウム施設としての統計となります。

1−2.新型コロナウイルス感染症対応による休演

2024年3月末までの数値をまとめた今回の調査では、新型コロナウイルス対策での休演がかなり少なくなりました。今後大きな変化がない限り、今回でこの項目の調査は終了する予定です。

年度総合大規模館中規模館小規模館他
2019年度0.9ヶ月0.9ヶ月1.0ヶ月0.9ヶ月
2020年度3.3ヶ月2.4ヶ月3.1ヶ月4.2ヶ月
2021年度2.0ヶ月1.8ヶ月1.6ヶ月2.6ヶ月
2022年度0.4ヶ月0.4ヶ月0.1ヶ月0.6ヶ月
2023年度0.1ヶ月0.0ヶ月0.1ヶ月0.1ヶ月

 

2.2023年度の日本のプラネタリウム施設全体の状況(速報)。

2−1.総観覧者数ならびに総投影回数の推移(推計値)

年度総観覧者数総投影回数
2011年度 769万人 19万回
2012年度 848万人 20万回
2013年度 817万人 20万回
2014年度 817万人 20万回
2015年度 815万人 20万回
2016年度 858万人 20万回
2017年度 872万人 23万回
2018年度 889万人 22万回
2019年度 830万人 20万回
2020年度 312万人 13万回
2021年度 476万人 16万回
2022年度 790万人 22万回
2023年度 827万人 22万回

2023年度において総観覧者数はコロナ禍前の2018年度と比較して93%にまで回復しました。

 

この総観覧者数と総投影回数は、毎回の回収率が100%にはならないので、一定のルールによる推計値を算出して発表しています。

推計値の計算は、プラネタリウムを座席数(規模)により3グループ(座席数99席まで、100~199席、200席以上)に分け、グループ毎の回答数値の平均を出し、総施設数を乗じて算出しています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループに入れています。過去の数値は当協議会発行の「プラネタリウムデータブック2015」、「プラネタリウムデータブック2020」ならびに、プラネタリウム基礎調査2015~2023より引用しました。また人数は万人以下、回数は万回以下で四捨五入しています。

 

3.2023年度の観覧者数・投影回数ベスト10(総合、回答230施設)

観覧者数や投影回数は、施設によって統計のとり方が異なるため、微妙な差異がありえます。そこで、観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入しています。また、座席数とともに稼働率を示しました。稼働率は用意した総席に対して何人が入ったかを示すもので、映画館などで使われる指標です。稼働率=観覧者数/(座席数×投影回数)。この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。

 

3-1.観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
名古屋市科学館39.0万人83%350
コニカミノルタプラネタリウム満天27.2万人40%193
コニカミノルタプラネタリウム天空23.0万人31%199
3コニカミノルタプラネタリアTOKYO※23.0万人14%407
大阪市立科学館20.4万人58%262
福岡市科学館16.5万人36%220
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA16.5万人30%170
神戸市立青少年科学館16.1万人33%230
横浜こども科学館15.8万人31%277
10多摩六都科学館15.2万人47%234

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

3-2.投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
国営沖縄記念公園海洋文化館4.2千回11%189
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※4.0千回14%407
コニカミノルタプラネタリウム天空3.7千回31%199
(確認待ち)3.6千回  
コニカミノルタプラネタリウム満天3.5千回40%193
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA3.5千回26%165
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA3.3千回30%170
富士市道の駅 富士川楽座3.0千回13%72
千葉市科学館2.4千回29%200
10星の文化館2.4千回24%25

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

4.2023年度の規模別 観覧者数・投影回数ベスト5

回答施設中の規模別の順位をそれぞれ5位まで公開します。規模は座席数で区分けし、99席までが小規模、100~199席が中規模、200席以上を大規模としました。3と同様に観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入し、この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。

 

4-1.小規模館(座席数99席まで、回答110施設)

4-1-1.小規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
高知みらい科学館3.4万人33%82
大津市科学館3.2万人54%95
3福知山市児童科学館3.0万人50%85
(確認待ち)3.0万人  
富士市道の駅 富士川楽座2.9万人13%72
(平均:7,200人, 中央値:4.900人)

 

4-1-2.小規模館投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
(確認待ち)3.6千回  
富士市道の駅 富士川楽座3.0千回13%72
3星の文化館2.4千回24%25
4いしがき島星ノ海プラネタリウム1.5千回15%46
5高知みらい科学館1.3千回33%82

 

4-2.中規模館(座席数100〜199席、回答74施設)

4-2-1.中規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
コニカミノルタプラネタリウム満天27.2万人40%193
コニカミノルタプラネタリウム天空23.0万人31%199
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA16.5万人30%170
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA15.1万人26%165
日本科学未来館14.7万人56%127
(平均:40,000人, 中央値:26,000人)

 

4-2-2.中規模館投影回数数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
国営沖縄記念公園海洋文化館4.2千回11%189
コニカミノルタプラネタリウム天空3.7千回31%199
コニカミノルタプラネタリウム満天3.5千回40%193
コニカミノルタラネタリウム満天NAGOYA3.5千回26%165
4コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA3.3千回30%170

 

4-3.大規模館(座席数200席以上、回答44施設)

4-3-1.大規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
名古屋市科学館39.0万人83%350
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※23.0万人14%407
大阪市立科学館20.4万人58%262
福岡市科学館16.5万人36%220
神戸市立青少年科学館16.1万人33%230
(平均:73,000人, 中央値:53,000人)

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
 

4-3-2.大規模館投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※4.0千回40%407
千葉市科学館2.4千回29%200
福岡市科学館2.1千回36%220
神戸市立青少年科学館2.1千回33%230
横浜こども科学館1.8千回31%277

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。