2020年10月20日
日本プラネタリウム協議会 広報理事 毛利勝廣
プラネタリウム基礎調査2020の結果速報を発表いたします。
1.調査について
プラネタリウム基礎調査は2012年より毎年行っている調査です。今回は2019年度(2019年4月~2020年3月)の状況について、調査票を2020年5月に日本全国のプラネタリウム施設等に郵送し、6月30日〆切で返送回答を依頼しました。
調査項目はプラネタリウム投影回数、観覧者数、特記事項の3項目です。調査票配布は303、回収数は256(10月1日時点)、回収率は84%です。
2020年3月末までの数値をまとめた今回の調査には、新型コロナウィルス対策での休演や休館、観覧人数削減などの影響が現れ始めています。ただし施設によっての対応も違いますので、それによる観覧者数や投影回数の減について、この速報では統計的な補正を与えておりません。次年度以降の調査や長期間に渡っての統計処理については考慮の必要があります。
2.2019年度の日本のプラネタリウム施設全体の状況(速報)。
2−1.総観覧者数ならびに総投影回数の過去8年間の推移(推計値)
年度 | 総観覧者数 | 総投影回数 |
---|---|---|
2011年度 | 769万人 | 19万回 |
2012年度 | 848万人 | 20万回 |
2013年度 | 817万人 | 20万回 |
2014年度 | 817万人 | 20万回 |
2015年度 | 815万人(速報値) | 20万回(速報値) |
2016年度 | 858万人(速報値) | 20万回(速報値) |
2017年度 | 872万人(速報値) | 23万回(速報値) |
2018年度 | 889万人(速報値) | 22万回(速報値) |
2019年度 | 830万人(今回速報値) | 20万回(今回速報値) |
この総観覧者数と総投影回数は、毎回の回収率が100%にはならないので、一定のルールによる推計値を算出して発表しています。
推計値の計算は、プラネタリウムを座席数(規模)により3グループ(座席数99席まで、100~199席、200席以上)に分け、グループ毎の回答数値の平均を出し、総施設数を乗じて算出しています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループに入れています。過去の数値は当協議会発行の「プラネタリウムデータブック2015」ならびに、プラネタリウム基礎調査2015~2019より引用しました。また人数は万人以下、回数は万回以下で四捨五入しています
3.2019年度の観覧者数・投影回数ベスト10(総合、回答256施設)
観覧者数や投影回数は、施設によって統計のとり方が異なるため、微妙な差異がありえます。そこで、観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入しています。また、座席数とともに稼働率を示しました。稼働率は用意した総席に対して何人が入ったかを示すもので、映画館などで使われる指標です。稼働率=観覧者数/(座席数×投影回数)。この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。
3-1.観覧者数上位施設
施設名 | 観覧者数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 名古屋市科学館 | 43.2万人 | 85% | 350 |
2 | 大阪市立科学館 | 35.2万人 | 57% | 312 |
3 | コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City | 28.6万人 | 41% | 214 |
3 | コニカミノルタプラネタリア TOKYO※ | 28.6万人 | 34% | 284 |
5 | コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン® | 26.1万人 | 35% | 212 |
6 | 福岡市科学館 | 18.1万人 | 41% | 220 |
7 | 多摩六都科学館 | 16.4万人 | 53% | 234 |
8 | 横浜こども科学館 | 13.7万人 | 32% | 268 |
9 | 仙台市天文台 | 13.0万人 | 35% | 280 |
9 | 千葉市科学館 | 13.0万人 | 27% | 200 |
※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
3-2.投影回数上位施設
施設名 | 投影回数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | コニカミノルタプラネタリア TOKYO※ | 6.0千回 | 34% | 284 |
2 | 国営沖縄記念公園海洋文化館 | 4.0千回 | 16% | 189 |
3 | コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン® | 3.5千回 | 35% | 212 |
4 | コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City | 3.3千回 | 41% | 214 |
5 | 富士川楽座(わいわい劇場) | 3.0千回 | 18% | 72 |
6 | 千葉市科学館 | 2.4千回 | 27% | 200 |
8 | 大阪市立科学館 | 2.0千回 | 57% | 312 |
8 | 福岡市科学館 | 2.0千回 | 41% | 220 |
8 | 神戸市立青少年科学館 | 2.0千回 | 25% | 252 |
10 | 足立区ギャラクシティ | 1.9千回 | 31% | 172 |
※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
4.2019年度の規模別 観覧者数・投影回数ベスト5
回答施設中の規模別の順位をそれぞれ5位まで公開します。規模は座席数で区分けし、99席までが小規模、100~199席が中規模、200席以上を大規模としました。3と同様に観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入し、この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループにしています。
4-1.小規模館(座席数99席まで、回答129施設)
4-1-1.小規模館観覧者数上位施設
施設名 | 観覧者数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 高知みらい科学館 | 5.3万人 | 62% | 82 |
2 | 富士川楽座(わいわい劇場) | 3.9万人 | 18% | 72 |
3 | 大津市科学館 | 3.0万人 | 51% | 95 |
3 | 非開示 | 3.0万人 | ||
5 | 厚木市子ども科学館 | 2.6万人 | 27% | 90 |
(平均:7,000人, 中央値:5,000人)
4-1-2.小規模館投影回数上位施設
施設名 | 投影回数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 富士川楽座(わいわい劇場) | 3.0千回 | 18% | 72 |
2 | 星の文化館 | 1.7千回 | 28% | 27 |
2 | 非開示 | 1.5千回 | ||
4 | 非開示 | 1.3千回 | ||
4 | SL銀河・車内プラネタリウム | 1.3千回 |
4-2.中規模館(座席数100〜199席、回答69施設)
4-2-1.中規模館観覧者数上位施設
施設名 | 観覧者数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 国営沖縄記念公園海洋文化館 | 11.6万人 | 15% | 189 |
2 | 非開示 | 11.0万人 | ||
3 | 足立区ギャラクシティまるちたいけんドーム | 10.2万人 | 31% | 172 |
4 | コスモプラネタリウム渋谷 | 9.3万人 | 44% | 120 |
5 | 倉敷科学センター | 6.8万人 | 33% | 165 |
当初、5位は藤沢市湘南台文化センターこども館でしたが、リニューアルで座席数が減少し区分が変更になった倉敷科学センターになりました。ここに修正いたします(2021年3月)
(平均:27,000人, 中央値:17,000人)
4-2-2.中規模館投影回数数上位施設
施設名 | 投影回数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 国営沖縄記念公園海洋文化館 | 4.0千回 | 15% | 189 |
2 | 足立区ギャラクシティまるちたいけんドーム | 1.9千回 | 31% | 172 |
3 | コスモプラネタリウム渋谷 | 1.8千回 | 44% | 120 |
4 | 非開示 | 1.6千回 | ||
5 | 堺市教育文化センター ソフィア・堺 | 1.5千回 | 17% | 166 |
5 | 福井市自然史博物館分館 セーレンプラネット | 1.5千回 | 7.2% | 160 |
4-3.大規模館(座席数200席以上、回答58施設)
4-3-1.大規模館観覧者数上位施設
施設名 | 観覧者数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | 名古屋市科学館 | 43.2万人 | 85% | 350 |
2 | 大阪市立科学館 | 35.2万人 | 57% | 312 |
3 | コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City | 28.6万人 | 41% | 214 |
3 | コニカミノルタプラネタリア TOKYO※ | 28.6万人 | 34% | 284 |
5 | コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン® | 26.1万人 | 35% | 212 |
(平均:81,000人, 中央値:55,000人)
※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
4-3-2.大規模館投影回数上位施設
施設名 | 投影回数 | 稼働率 | 座席数 | |
---|---|---|---|---|
1 | コニカミノルタプラネタリア TOKYO※ | 6.0千回 | 34% | 284 |
2 | コニカミノルタプラネタリウム“天空”in 東京スカイツリータウン® | 3.5千回 | 35% | 212 |
3 | コニカミノルタプラネタリウム“満天”in Sunshine City | 3.3千回 | 41% | 214 |
4 | 千葉市科学館 | 2.4千回 | 27% | 200 |
5 | 大阪市立科学館 | 2.0千回 | 57% | 312 |
5 | 福岡市科学館 | 2.0千回 | 41% | 220 |
5 | 神戸市立青少年科学館 | 2.0千回 | 25% | 252 |
※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。