プラネタリウム基礎調査2022速報

2022年10月31日 

日本プラネタリウム協議会 理事長 毛利勝廣

 

プラネタリウム基礎調査2022の結果速報を発表いたします。

1.調査について

1−1.全容

プラネタリウム基礎調査は2012年より毎年行っている調査です。今回は2021年度(2021年4月~2022年3月)の状況について、調査票を2022年8月に日本全国のプラネタリウム施設等に郵送し、9月9日〆切で返送回答を依頼しました。

調査項目はプラネタリウム投影回数、観覧者数、特記事項、新型コロナウイルス感染症対策でのプラネタリウム休演期間の4項目です。調査票配布は303、回収数は239(10月5日時点)、回収率は79%です。

1−2.新型コロナウイルス感染症対応による休演

2022年3月末までの数値をまとめた今回の調査にも前回と同じく、新型コロナウイルス対策での休演や休館、観覧人数削減などの影響が大きく反映しています。そこで新型コロナウイルス対策での休演月数を同時に集めました。ただし施設によって対応基準も違いますので、観覧者数や投影回数の減について、この速報では統計的な補正を与えておりません。次年度以降の調査や長期間に渡っての統計処理については考慮の必要がありますが、この速報ではありのままの数値として御覧ください。

年度総合大規模館中規模館小規模館他
2019年度0.9ヶ月0.9ヶ月1.0ヶ月0.9ヶ月
2020年度3.3ヶ月2.4ヶ月3.1ヶ月4.2ヶ月
2021年度2.0ヶ月1.8ヶ月1.6ヶ月2.6ヶ月

 

2.2021年度の日本のプラネタリウム施設全体の状況(速報)。

2−1.総観覧者数ならびに総投影回数の過去8年間の推移(推計値)

年度総観覧者数総投影回数
2011年度 769万人 19万回
2012年度 848万人 20万回
2013年度 817万人 20万回
2014年度 817万人 20万回
2015年度 815万人(速報値) 20万回(速報値)
2016年度 858万人(速報値) 20万回(速報値)
2017年度 872万人(速報値) 23万回(速報値)
2018年度 889万人(速報値) 22万回(速報値)
2019年度 830万人(速報値) 20万回(速報値)
2020年度 312万人(速報値) 13万回(速報値)
2021年度 476万人(今回速報値) 16万回(今回速報値)

この総観覧者数と総投影回数は、毎回の回収率が100%にはならないので、一定のルールによる推計値を算出して発表しています。

推計値の計算は、プラネタリウムを座席数(規模)により3グループ(座席数99席まで、100~199席、200席以上)に分け、グループ毎の回答数値の平均を出し、総施設数を乗じて算出しています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループに入れています。過去の数値は当協議会発行の「プラネタリウムデータブック2015」ならびに、プラネタリウム基礎調査2015~2021より引用しました。また人数は万人以下、回数は万回以下で四捨五入しています

 

3.2021年度の観覧者数・投影回数ベスト10(総合、回答239施設)

観覧者数や投影回数は、施設によって統計のとり方が異なるため、微妙な差異がありえます。そこで、観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入しています。また、座席数とともに稼働率を示しました。稼働率は用意した総席に対して何人が入ったかを示すもので、映画館などで使われる指標です。稼働率=観覧者数/(座席数×投影回数)。この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。
また、新型コロナウイルス感染症対策のために座席数を少なくして運用した施設が多くあります。稼働率が例年より低く出ている中にはその影響が含まれています。

 

3-1.観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
名古屋市科学館30.5万人60%350
コニカミノルタプラネタリウム満天17.9万人29%214
コニカミノルタプラネタリウム天空13.9万人25%212
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※12.3万人10%284
多摩六都科学館10.6万人36%234
千葉市科学館9.6万人24%200
大阪市立科学館9.1万人34%312
仙台市天文台8.7万人26%280
つくばエキスポセンター8.5万人28%232
10明石市立天文科学館7.9万人20%300

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

3-2.投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※4.3千回10%284
コニカミノルタプラネタリウム満天2.9千回29%214
富士川楽座(わいわい劇場)2.9千回9.3%72
コニカミノルタプラネタリウム天空2.7千回25%212
星の文化館2.6千回21%27
千葉市科学館2.0千回24%200
日本科学未来館1.7千回39%112
国営沖縄記念公園海洋文化館1.6千回12%189
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA1.6千回29%165
10名古屋市科学館1.5千回60%350

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

4.2021年度の規模別 観覧者数・投影回数ベスト5

回答施設中の規模別の順位をそれぞれ5位まで公開します。規模は座席数で区分けし、99席までが小規模、100~199席が中規模、200席以上を大規模としました。3と同様に観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入し、この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループにしています。
また、新型コロナウイルス感染症対策のために、座席数を少なくして運用した施設も多くあります。稼働率が例年より低く出ている中にはその影響が含まれています。

 

4-1.小規模館(座席数99席まで、回答111施設)

4-1-1.小規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
高知みらい科学館2.7万人28%82
大津市科学館2.3万人39%95
富士川楽座(わいわい劇場)1.9万人9.3%72
中央区立郷土天文館(タイムドーム明石)1.7万人24%86
宗像ユリックスプラネタリウム1.5万人23%80
星の文化館1.5万人21%27
(平均:4,000人, 中央値:2.000人)

 

4-1-2.小規模館投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
富士川楽座 わいわい劇場2.9千回9.3%72
星の文化館2.6千回21%27
東京九州フェリー1.2千回23%23
リナシティかのや情報プラザ1.2千回19%26
高知みらい科学館1.2千回28%82

 

4-2.中規模館(座席数100〜199席、回答70施設)

4-2-1.中規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
日本科学未来館7.5万人39%112
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA7.5万人29%165
伊丹市立こども文化科学館4.5万人32%150
コスモプラネタリウム渋谷4.4万人32%120
山梨県立科学館4.1万人20%186
(平均:17,000人, 中央値:14,000人)

 

4-2-2.中規模館投影回数数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
日本科学未来館1.7千回39%112
国営沖縄記念公園海洋文化館1.6千回12%189
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA1.6千回29%165
Digital star dome ほたる(琵琶湖マリオットホテル)1.4千回8.4%166
港区立みなと科学館1.4千回22%121

 

4-3.大規模館(座席数200席以上、回答58施設)

4-3-1.大規模館観覧者数上位施設

 施設名観覧者数稼働率座席数
名古屋市科学館30.5万人60%350
コニカミノルタプラネタリウム満天17.9万人29%214
コニカミノルタプラネタリウム天空13.9万人25%212
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※12.3万人10%284
多摩六都科学館10.6万人36%234
(平均:45,000人, 中央値:29,000人)

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
 

4-3-2.大規模館投影回数上位施設

 施設名投影回数稼働率座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※4.3千回10%284
コニカミノルタプラネタリウム満天2.9千回29%214
コニカミノルタプラネタリウム天空2.7千回25%212
千葉市科学館2.0千回24%200
名古屋市科学館1.5千回60%350

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。