プラネタリウム基礎調査2023速報

2024年1月20日 

日本プラネタリウム協議会 理事長 毛利勝廣

 

プラネタリウム基礎調査2023の結果速報を発表いたします。

1.調査について

1−1.全容

プラネタリウム基礎調査は2012年より毎年行っている調査です。今回は2022年度(2022年4月~2023年3月)の状況について、調査票を2023年10月に日本全国のプラネタリウム施設等に郵送し、11月20日〆切で入力回答を依頼しました。

調査項目はプラネタリウム投影回数、観覧者数、特記事項、新型コロナウイルス感染症対策でのプラネタリウム休演期間の4項目です。調査票配布は335、入力数は234(12月31日時点)、回収率は70%です。

1−2.新型コロナウイルス感染症対応による休演

2023年3月末までの数値をまとめた今回の調査では、新型コロナウイルス対策での休演がかなり少なくなりました。

年度 総合 大規模館 中規模館 小規模館他
2019年度 0.9ヶ月 0.9ヶ月 1.0ヶ月 0.9ヶ月
2020年度 3.3ヶ月 2.4ヶ月 3.1ヶ月 4.2ヶ月
2021年度 2.0ヶ月 1.8ヶ月 1.6ヶ月 2.6ヶ月
2022年度 0.4ヶ月 0.4ヶ月 0.1ヶ月 0.6ヶ月

 

2.2022年度の日本のプラネタリウム施設全体の状況(速報)。

2−1.総観覧者数ならびに総投影回数の過去8年間の推移(推計値)

年度 総観覧者数 総投影回数
2011年度  769万人  19万回
2012年度  848万人  20万回
2013年度  817万人  20万回
2014年度  817万人  20万回
2015年度  815万人  20万回
2016年度  858万人  20万回
2017年度  872万人  23万回
2018年度  889万人  22万回
2019年度  830万人  20万回
2020年度  312万人  13万回
2021年度  476万人  16万回
2022年度  790万人  22万回

2022年度において総観覧者数はコロナ禍前の2018年度と比較して89%にまで回復しました。

 

この総観覧者数と総投影回数は、毎回の回収率が100%にはならないので、一定のルールによる推計値を算出して発表しています。

推計値の計算は、プラネタリウムを座席数(規模)により3グループ(座席数99席まで、100~199席、200席以上)に分け、グループ毎の回答数値の平均を出し、総施設数を乗じて算出しています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループに入れています。過去の数値は当協議会発行の「プラネタリウムデータブック2015」、「プラネタリウムデータブック2020」ならびに、プラネタリウム基礎調査2015~2022より引用しました。また人数は万人以下、回数は万回以下で四捨五入しています。

 

3.2022年度の観覧者数・投影回数ベスト10(総合、回答234施設)

観覧者数や投影回数は、施設によって統計のとり方が異なるため、微妙な差異がありえます。そこで、観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入しています。また、座席数とともに稼働率を示しました。稼働率は用意した総席に対して何人が入ったかを示すもので、映画館などで使われる指標です。稼働率=観覧者数/(座席数×投影回数)。この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。

 

3-1.観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
名古屋市科学館 40.2万人 78% 350
大阪市立科学館 28.8万人 51% 262
コニカミノルタプラネタリウム満天 24.4万人 38% 193
コニカミノルタプラネタリウム天空 21.8万人 31% 199
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 21.1万人 10% 407
北九州市科学館 20.0万人 49% 250
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 16.6万人 30% 170
多摩六都科学館 16.2万人 48% 234
横浜こども科学館 14.8万人 36% 275
10 神戸市立青少年科学館 13.5万人 36% 230

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

3-2.投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 5.2千回 10% 407
コニカミノルタプラネタリウム天空 3.5千回 31% 199
コニカミノルタプラネタリウム満天 3.3千回 38% 193
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 3.3千回 31% 170
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 3.3千回 22% 165
富士市道の駅 富士川楽座 2.9千回 11% 72
星の文化館 2.6千回 26% 25
千葉市科学館 2.3千回 28% 200
9 大阪市立科学館 2.2千回 51% 262
10 日本科学未来館 2.0千回 48% 127

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

4.2022年度の規模別 観覧者数・投影回数ベスト5

回答施設中の規模別の順位をそれぞれ5位まで公開します。規模は座席数で区分けし、99席までが小規模、100~199席が中規模、200席以上を大規模としました。3と同様に観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入し、この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。モバイルプラネタリウムなどは座席数99席までのグループにしています。

 

4-1.小規模館(座席数99席まで、回答114施設)

4-1-1.小規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
高知みらい科学館 3.1万人 30% 82
大津市科学館 3.0万人 49% 95
富士市道の駅 富士川楽座 2.4万人 11% 72
福知山市児童科学館 2.3万人 39% 85
厚木市子ども科学館 2.3万人 24% 90
(平均:5,700人, 中央値:3.400人)

 

4-1-2.小規模館投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
富士市道の駅 富士川楽座 3.0千回 11% 72
星の文化館 2.6千回 26% 25
星ふるヴィレッジTENGU 1.4千回 18% 50
4 高知みらい科学館 1.3千回 30% 82
5 岡山天文科学館 1.2千回 22% 36
5 東京九州フェリー 1.2千回 22% 23
5 いしがき島星ノ海プラネタリウム 1.2千回 16% 46

 

4-2.中規模館(座席数100〜199席、回答75施設)

4-2-1.中規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリウム満天 24.4万人 38% 193
コニカミノルタプラネタリウム天空 21.8万人 31% 199
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 16.6万人 30% 170
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 12.2万人 22% 165
日本科学未来館 11.8万人 48% 127
(平均:34,000人, 中央値:24,000人)

 

4-2-2.中規模館投影回数数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリウム天空 3.5千回 31% 199
コニカミノルタプラネタリウム満天 3.3千回 38% 193
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 3.3千回 30% 170
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 3.3千回 22% 165
日本科学未来館 2.0千回 48% 127

 

4-3.大規模館(座席数200席以上、回答44施設)

4-3-1.大規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
名古屋市科学館 40.2万人 78% 350
大阪市立科学館 28.8万人 51% 262
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 21,1万人 10% 407
北九州市科学館 20.0万人 49% 250
多摩六都科学館 16.2万人 48% 234
(平均:75,000人, 中央値:51,000人)

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
 

4-3-2.大規模館投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 5.2千回 10% 407
千葉市科学館 2.3千回 28% 200
大阪市立科学館 2.2千回 51% 262
福岡市科学館 1.9千回 29% 220
郡山市ふれあい科学館 1.6千回 13% 238

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。