プラネタリウム基礎調査2025速報

2025年11月1日 

日本プラネタリウム協議会 データブック委員
角田佳昭 毛利勝廣 田中里佳

 

プラネタリウム基礎調査2025の結果速報を発表いたします。

 

1.調査について

1−1.全容

プラネタリウム基礎調査は2012年より毎年行っている調査です。今回は2024年度(2024年4月~2025年3月)の状況について、調査票を2025年9月に日本全国のプラネタリウム施設等に郵送し、9月23日〆切で入力回答を依頼しました。

調査項目はプラネタリウム投影回数、観覧者数、特記事項の3項目です。調査票配布は296、回答数は229(10月21日時点)、回収率は77%です。

2024年度の調査からデータブック2020等で確定し常時公開しているプラネタリウム施設一覧を基に調査票を配布しました。また運用状況の違うモバイルプラネタリウムの調査を別途行うこととしました。モバイルプラネタリウムのみなさまには今年度中のデータブック2025調査時に調査項目を調整の上、連絡をいたします。お待たせしてすみませんが、何卒ご協力の程よろしくお願いします。

 

2.2024年度の日本のプラネタリウム施設全体の状況(速報)。

2−1.総観覧者数ならびに総投影回数の推移(推計値)

年度 総観覧者数 総投影回数
2011年度  769万人  19万回
2012年度  848万人  20万回
2013年度  817万人  20万回
2014年度  817万人  20万回
2015年度  815万人  20万回
2016年度  858万人  20万回
2017年度  872万人  23万回
2018年度  889万人  22万回
2019年度  830万人  20万回
2020年度  312万人  13万回
2021年度  476万人  16万回
2022年度  790万人  22万回
2023年度  827万人  22万回
2024年度  850万人  22万回

2024年度において総観覧者数はコロナ禍前の2018年度と比較して96%にまで回復しました。

この総観覧者数と総投影回数は、毎回の回収率が100%にはならないので、一定のルールによる推計値を算出して発表しています。

推計値の計算は、プラネタリウムを座席数(規模)により3グループ(座席数99席まで、100~199席、200席以上)に分け、グループ毎の回答数値の平均を出し、総施設数を乗じて算出しています。過去の数値は当協議会発行の「プラネタリウムデータブック2015」、「プラネタリウムデータブック2020」ならびに、プラネタリウム基礎調査2015~2024より引用しました。また人数は万人以下、回数は万回以下で四捨五入しています。

 

3.2024年度の観覧者数・投影回数ベスト10(総合、回答229施設)

観覧者数や投影回数は、施設によって統計のとり方が異なるため、微妙な差異がありえます。そこで、観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入しています。また、座席数とともに稼働率を示しました。稼働率は用意した総席に対して何人が入ったかを示すもので、映画館などで使われる指標です。稼働率=観覧者数/(座席数×投影回数)。この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。

 

3-1.観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
名古屋市科学館 44.6万人 86% 350
コニカミノルタプラネタリウム満天 27.5万人 41% 193
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 24.6万人 16% 407
4 大阪市立科学館 24.2万人 65% 262
コニカミノルタプラネタリウム天空 23.0万人 30% 199
札幌市青少年科学館 19.1万人 58% 202
7 コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 18.9万人 35% 170
横浜こども科学館 18.4万人 37% 277
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 17.5万人 30% 165
10 福岡市科学館 17.0万人 37% 220

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

3-2.投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 3.9千回 16% 407
コニカミノルタプラネタリウム天空 3.8千回 30% 199
コニカミノルタプラネタリウム満天 3.5千回 41% 193
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 3.5千回 30% 165
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA  3.2千回 35% 170
6 富士市道の駅 富士川楽座 2.9千回 16% 72
星の文化館 2.3千回 26% 25
(確認待ち)      
10 福岡市科学館 2.1千回 37% 220
10 千葉市科学館 2.1千回 32% 200
10 神戸市立青少年科学館 2.1千回 30% 230

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。

 

4.2024年度の規模別 観覧者数・投影回数ベスト5

回答施設中の規模別の順位をそれぞれ5位まで公開します。規模は座席数で区分けし、99席までが小規模、100~199席が中規模、200席以上を大規模としました。3と同様に観覧者数は1000人単位、投影回数は100回単位で四捨五入し、この処理で同一になった施設は同率順位とし、表記順番は稼働率の高い順としています。同施設内に常設ドームが複数ある場合は、観覧者数、回数、座席数の和を数値として扱っています。

 

4-1.小規模館(座席数99席まで、回答102施設)

4-1-1.小規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
高知みらい科学館 3.7万人 37% 82
大津市科学館 3.5万人 57% 95
3 茨木市文化・子育て複合施設おにクルきたしんプラネタリウム 3.4万人 69% 56
3 富士市道の駅 富士川楽座 3.4万人 16% 72
5 厚木市子ども科学館 2.9万人 33% 90
(平均:7,500人, 中央値:5,000人)

 

4-1-2.小規模館投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
富士市道の駅 富士川楽座 2.9千回 16% 72
星の文化館 2.3千回 26% 25
3 いしがき島星ノ海プラネタリウム 1.7千回 19% 46
4 余市宇宙記念館 1.3千回 8% 30
5 高知みらい科学館 1.2千回 37% 82

 

4-2.中規模館(座席数100〜199席、回答81施設)

4-2-1.中規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリウム満天 27.5万人 41% 193
コニカミノルタプラネタリウム天空 23.0万人 30% 199
コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 18.9万人 35% 170
コニカミノルタプラネタリウム満天NAGOYA 17.5万人 30% 165
(確認待ち)      
(平均:38,000人, 中央値:23,000人)

 

4-2-2.中規模館投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリウム天空 3.8千回 30% 199
コニカミノルタプラネタリウム満天 3.5千回 41% 193
コニカミノルタラネタリウム満天NAGOYA 3.5千回 30% 165
4 コニカミノルタプラネタリアYOKOHAMA 3.2千回 35% 170
5 (確認待ち)      

 

4-3.大規模館(座席数200席以上、回答46施設)

4-3-1.大規模館観覧者数上位施設

  施設名 観覧者数 稼働率 座席数
名古屋市科学館 44.6万人 86% 350
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 24.6万人 16% 407
大阪市立科学館 24.2万人 65% 262
札幌市青少年科学館 19.1万人 58% 202
横浜こども科学館 18.4万人 37% 277
(平均:81,000人, 中央値:59,000人)

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。
 

4-3-2.大規模館投影回数上位施設

  施設名 投影回数 稼働率 座席数
コニカミノルタプラネタリアTOKYO※ 3.9千回 16% 407
福岡市科学館 2.1千回 37% 220
千葉市科学館 2.1千回 32% 200
神戸市立青少年科学館 2.1千回 30% 230
横浜こども科学館 1.8千回 37% 277

※コニカミノルタプラネタリア TOKYOには2つのドームがあり、各数値はその合計です。